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アーティスト紹介

中村 ケンゴ Kengo Nakamura

絵画・インスタレーション
展示会場

イシバシヤ

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PROFILE

Eメールで使われる顔文字、ワンルームマンションの間取り図、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフから、美術史上のさまざまなイメージまでをも用いたユニークな絵画を制作。日本画の技法で描かれるこれらの作品は、近代になって生まれた「日本画」をはじめとする「日本の美術」のドメスティックな概念を相対化する仕事でもある。

また、絵画制作だけでなく、他ジャンルのクリエイターとのコラボレーションのほか、展覧会、シンポジウムなど様々なアートプロジェクトの企画運営にもあたる。国内外の展覧会、アートフェアに多数出品。

2015年に、掛川市二の丸美術館にて個展「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング 1994-2014」を開催。多摩美術大学大学院修了。
http://www.nakamurakengo.com

ART WORKS

《スピーチバルーン・イン・ザ・ヒノマル》2010年

66 x 94 cm
画材情報など
パネルに和紙、岩絵具、顔料、膠

《自分以外》2014年

145.5cm x 145.5cm
パネルに和紙、岩絵具、顔料、アクリル、樹脂膠

INTERVIEW

掛川のまちの印象はいかがですか?
掛川には2008年の「現代アート茶会」に関わらせてもらって以来お邪魔しているので、ずいぶんなじみ深くなってきています。一昨年は二の丸美術館で個展をさせていただきましたしね。この辺りの人は静岡の人っていうよりは、“掛川藩の人”だなっていう印象です。皆さんお殿様の話とかをふつうにしていて、廃藩置県前の感じがまだ残っているなと(笑)。
かけがわ茶エンナーレについてどう思われますか。
かなり広く移動しないとすべてを見られないような地域アート展も多いですが、その点、茶エンナーレは駅前から掛川城のあたりでコンパクトに集中していて、比較的見やすいのかなと思います。僕は街中の〈イシバシヤ〉という、ここに昔からある総合衣料品店で展示させてもらうのですが、、美術館やギャラリーといった、いわゆる美術を見る場所ではない場所で展示するのは、ちょっと挑戦というか、面白い試みだなと感じています。今後の作品をつくる上で新しい発見があるかもしれない、っていう楽しみはありますね。
今回の作品の構想を教えてください。
会場の〈イシバシヤ〉には大阪万博のノベルティとか、昔のアイドルのポスターなんかがそのまま残っていて、戦後の高度成長期時代のものが宝の山のように埋もれているんです。 そういう元々この店にあるモノと自分の絵画とを組み合わせて、ひとつのイメージをつくっていこうかなと考えています。また、ここが今の状態に改築されたのが僕の生まれた年に近いと聞いたので、じゃあちょっと自分の人生みたいのものと、この店の在り方みたいなものを重ね合わせてみようかな、と思っています。
この場所でやる意義をどう捉えていますか?
この辺りは温泉街や観光地といったわけではないので、まち歩きをしながら、暮らしの中にあるふつうの風景というものを再認識してもらういいきっかけになるかもしれません。さらに言えば、「普段暮らしている我々の生活空間」というのを美術によって相対化できる可能性はありますけど、やってみないとわかりませんね(笑)。
かけがわ茶エンナーレの来場者に作品をどう感じてほしいですか?
アートは文学と同じで、ものすごく“個人的なもの”だと思うんです。“あらゆる人にまんべんなく”というのに向かないジャンルで、合う合わないは絶対あるし、恐ろしいものになるっていう可能性さえある。でも必要な人にとってはかけがえのないものだと思います。こういう地域アート展で難しいのは、“まちおこし”というか、何かしらの成果につなげる意図があると思うんですが、美術というのは、四半期とか年度別とかで結果を出すものじゃない。長い時間の中で何かを感じてもらうものですから、そういうつもりで見ていただけると助かるかな。まあ、パッと見でいろいろなものが置いてあって、単純に面白いとは思うんですけどね。
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