かけがわ茶エンナーレについて

ABOUT

事業概要

アートが いきづく茶産地へ。

~茶文化創造千日プロジェクト~

かけがわ茶エンナーレは、静岡県掛川市で平成27年度から29年度にかけて3年間(千日)をかけて推進された茶文化創造千日プロジェクトです。南アルプス最南端から遠州灘海岸にひろがる風光明媚な日本有数の茶産地を舞台に、「アート×茶・茶文化」の視点から、様々なアートプロジェクトに取り組みました。
本事業における茶・茶文化とは、「営みの場としての茶畑・茶園・茶工場」「生業としての茶業」「日々食卓で飲むお茶」「生活文化における嗜みのお茶」「造形美としての茶道具や茶器」「アートを活かす空間(館)」など、多岐にわたりました。
かけがわ茶エンナーレは、アートの力を最大限に活用し、掛川市の茶・茶文化とアートとの関係性を紡ぎながら、市の新たな魅力の発掘と発信、市民の誇り醸成、そして地域の活性化につなげていった事業です。

事業ミッション

■ 市民とアーティストと茶産地との積極的な交流

■ お茶のある風景・お茶のある生活の再発見

■ お茶が持つ細やかなホスピタリティーの再認識

■ アートのチカラで新しいライフスタイルの創造

事業概要

事業概要

事業概要

事業概要

名称
かけがわ茶エンナーレ
開催日
平成29年10月21日(土)~11月19日(日) 30日間
会場
静岡県掛川市
(原田・原泉エリア/東山・日坂エリア/五明エリア/まちなかエリア/横須賀エリア/大東エリア)
主催
かけがわ茶エンナーレ実行委員会
会長
日比野秀男
実行委員長
大木敏行
総合プロデューサー
山口裕美
事務局
掛川市文化振興課 〒436-8650 静岡県掛川市長谷一丁目1番地の1
TEL.0537-21-1126 FAX.0537-21-1165
支援
静岡県文化プログラム推進委員会
助成
文化庁・一般財団法人地域創造
特別協賛
資生堂・資生堂アートハウス・資生堂企業資料館

PLACE

会場

掛川市全域がミュージアム

かけがわ茶エンナーレの舞台は、掛川市全域。6つのエリアを中心にお茶のまち掛川がまるごとミュージアムに変わりました。

アートセレクション
まちなか/五明
みんなのミュージアム
まちなか/原田・原泉/東山・日坂/五明/大東/横須賀
会場
まちなかエリア
掛川城、大日本報徳社、商店街、掛川市役所、資生堂アートハウスなどがあるJR掛川駅周辺の中心市街地
原田・原泉エリア
原野谷川流域に茶畑が広がる原田エリア。さくら咲く学校など、山里の魅力あふれる原泉エリア。
東山・日坂エリア
世界農業遺産の茶草場農法で知られる東山エリア。旧東海道の宿場町の歴史ある町なみの日坂エリア
五明エリア
彗星発見の丘があることでも知られ、満天の星空の下に広がる茶畑が美しい五明エリア。
大東エリア
北部は、小笠山の自然と髙天神城跡などの歴史・文化財に恵まれ、南部は遠州灘を臨むエリア。
横須賀エリア
遠州横須賀街道に沿って古い町なみが残る、城下町の歴史と文化が感じられるエリア。

MESSAGE

かけがわ茶エンナーレ2017を終えて
掛川市長 松井三郎

掛川市長 松井三郎

掛川市では、平成29年10月21日から11月19日までの30日間、市内全域を舞台にした初めての大規模地域芸術祭「かけがわ茶エンナーレ」を開催しました。期間中、延べ約17万人が来場し、掛川市民をはじめ県内外からお越しの多くの皆様に、「かけがわ茶エンナーレ」の開催をきっかけに市内を巡り歩き、市民や地域、アーティストによるアート作品やパフォーマンスなどの多彩なプログラムを体験していただくとともに、掛川が誇る多くの歴史資源や美しい風景などの魅力を感じていただきました。

今回の「かけがわ茶エンナーレ」の開催による成果として、各エリアにおいて、展示やワークショップなどのプログラムが市民とアーティストの協働により実践されたことや、地域の魅力を活かしたおもてなしなどの取り組みが市内各地に広がるなど、これまでにない市民活動の動きが見られたことがあげられます。「かけがわ茶エンナーレ」に関わった多くの皆様の「ご縁」によってもたらされたこの動きは、「かけがわ茶エンナーレ」の目指すところであり、「協働のまちづくり」や「教育・文化日本一」の実現に、少なからず近づいたものと実感しております。

結びに、「かけがわ茶エンナーレ」の開催に際し、千日プロジェクトとして事業の立ち上げから3年間ご尽力いただきました実行委員会の皆様、すばらしいアーティストのキャスティングにより掛川の魅力を最大限に引き出していただきました山口裕美総合プロデューサー、市民をはじめ来場者に多くの感動を与えてくださった97組のアーティストの皆様、そして多大なるご協力をいただきました企業・団体・関係者の皆様に、あらためて御礼申し上げます。

実行委員会会長 日比野秀男

実行委員会会長 日比野秀男

「かけがわ茶エンナーレ」の実施にあたっては様々な立場の人々が、それぞれの持ち場において多くの苦労を重ねてきました。掛川市においてはこのような大規模なアートイベントを開催することが無く、ほとんどの人がどのようになるか全く見通しができない中で準備が進められました。そうしたことから「かけがわ茶エンナーレ」が終了した現在、様々な課題も見つかり、大きな経験になったことも確かです。

私は2年余前に茶エンナーレ全体構想案なるものを私的にまとめたことがありました。そこには「趣旨 掛川茶を媒介に、様々な掛川の文化遺産を再認識するとともに新たなアートとの出会いの機会を作る。そのため掛川の歴史と文化の中ではぐくまれた地域資源の再発見、再活用を図るとともに現代に生きるアートとの融合により、地域の活性化と内外の交流人口の増大を図り、希望のある町作りに貢献する。」とあります。

その2年前の自分なりの構想の基本は「ネットワークの確立」ということでありました。その実現のために「①既存の文化遺産の活用、②美術館の活用、③野外彫刻の活用、④市民アート活動の振興、⑤掛川茶のネームバリューアップ」を具体策としました。

今回の「かけがわ茶エンナーレ」が終了した現在、日本の大動脈が東西を縦断し、南北に広い地域を有する掛川市域の豊かな自然と歴史を活かしたさまざまな試みができないか今後も引き続いて考察していきたいと考えています。

実行委員長 大木敏行

実行委員長 大木敏行

「かけがわ茶エンナーレ」は、「市民が主役であり、市民総ぐるみで楽しめたかどうか」ということが大切だと思っています。市外の方へアートそのものをアピールすることも大切ですが、それ以上に市民が見慣れた茶畑・自然の美しさ、歴史的建造物の粋な佇まい、日々飲む掛川茶の深い味わいをアートやアーティストの力を借りて顕在化すれば、市民は地域の魅力をあらためて知り、新たな価値を得ることができると考えています。

また、この事業は、動員型、興業型の事業ではないとも思っています。何人来場したら成功とか、パスポートが何枚売れなかったから失敗といった類のものではなく、いわば運動型といってもよいのです。アートがいきづく茶産地を目指すことで地域の価値を高めていくことが事業の目的だからこそ、市民がアートと関わり、市民へ芸術の有効性を伝え、市民とともに、そのための運動体をつくっていかなければなりません。

特に、今回、市民委員が企画し、低コストで実現した「みんなのミュージアム」により、市内各地でごく自然な形でのおもてなしや独自の芸術祭の開催、参加など市民運動の息吹が芽生えはじめたのではないかと思っています。

市民に着目してもらい、市民自身が面白がり、市民全体が盛り上がる事業でなければ求心力や吸引力、波及効果や発展はありません。その意味からも、地元の豊富な“人財”を活かし、アートや芸術を使った市民運動の素地を固め持続させ、徐々に発展していくことで地域の価値や可能性を高めていくことではないかと思っています。

“近きものよろこべば遠きもの来る”を実践していくことです。

最後に、今回、携わっていただきました多くの皆様に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

アートセレクション 総合プロデューサー 山口裕美

総合プロデューサー 山口裕美

「かけがわ茶エンナーレ」が無事終わった時、本当にホッとしました。また、来場者数が約17万人と聞き、非常にうれしく、有難かったです。私が担当したアートセレクションの展示がなければ、17万人という数字は出なかったと思っています。

さまざまな場面で、地域芸術祭の難しさに直面しましたが、その時に応援してくださったのは掛川市民の方々でした。個人的にお手紙もいただきましたし、メールは本当にたくさんいただきました。心から感謝いたします。

掛川市が持っている文化的な財産には、木造の掛川城天守閣、中村昌生氏設計の二の丸茶室、木下&鈴木コレクションの二の丸美術館、また国の重要文化財である大日本報徳社大講堂、仰徳記念館、報徳図書館、二条城と同時代に作られた御殿などがあり、建築物だけではなく、その根底には報徳思想が根付いていることが大きな魅力だと実感しました。そうした時間的層の厚い文化施設と現代アートはとても相性が良かったと思います。

さらに、美味しい掛川茶があって、おもてなしの心で五明茶業組合やこれっしか処、大日本報徳社大講堂、掛川市役所等で振舞われたお茶の味は、ひとときの潤いと共に、出会いも生まれたようです。さまざまな面で、お世話になりました。

展示場所をご提供いただきましたイシバシヤさん、森林果樹公園アトリエさん、we+138の皆さん、中部電力掛川営業所の皆さん、中央図書館さん、資生堂アートハウスさん、本当にありがとうございました。さらに、松井市長をはじめ、掛川市役所の皆さん、日比野実行委員会会長、大木実行委員長と実行委員会のメンバー、実行委員会事務局の皆さん、ボランティアの皆さん、夏池先生、平野先生、赤堀先生、そして最後に参加いただきましたアーティストの皆さん全員に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。2017年の秋の出来事は忘れられない記憶になりました。

掛川市の紹介

豊かな自然とはるかな歴史が息づくまち