アートは置かれた場所によって、その表情を様々に変化させます。ある時は光り輝き、また別のときには大きく反発します。そうしたことから地域の歴史や文化を見直すのにとても良い存在です。見慣れた景色も新しいアートという異質なものが加わることによって見つめなおすことが出来ます。
各地で開催されているトリエンナーレやビエンナーレ形式の展示は新しいアートそのものを見るということよりは、置かれた場所を見つめなおすということが一番の目的でしょう。それによって地域が活性化する、交流人口が増えるという当面の目的が各地で達成され、評価されてきています。
「かけがわ茶エンナーレ」もそのような各地で開催されている現代アートの活用と大きく異なるところはありません。しかしながらもっと大きな目的は掛川に伝わった歴史と文化の大切さが将来を担う若い人たちに強く植えつけられることにあると言えるでしょう。一時的な交流人口の増加だけでなく、将来的に持続できる文化の継承を「かけがわ茶エンナーレ」が果たしてくれることを願っています。